シャフト重量

ゴルフクラブの重量選びはシャフトの重量選び

ゴルフクラブは大きく分けて、ヘッドとシャフトとグリップで構成されています。この中で最も重量の幅が大きいのがシャフトです。

ヘッドの重量幅の統計を取ってみたところ、ドライバーのヘッドのであれば、190g~205gという15gの重量幅の中に90%以上のドライバーヘッドが収まります。5番アイアンのヘッドであれば、245g~260gという同じく15gの重量幅の中に90%以上の5番アイアンヘッドが収まります。グリップに関しては、45g~55gという10gの重量幅の中に90%以上のグリップが納まります。

これに対し、シャフトの重量帯別の統計をとってみたところ、以下のようになりました。

シャフト重量の分布

ウッド用カーボンシャフトでは60g程度の重量幅があり、アイアン用シャフトにいたっては100g程度の重量幅があります。ゴルフクラブの重量選びは、ニアリーイコール シャフトの重量選びであると言って良いと思います。


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重量フロー

ゴルフクラブの適正な重量フローとは

ゴルフクラブの総重量は、長さとセットで考える必要があります。下のグラフで、縦軸は総重量、横軸は長さ、紺色のドットはアイアン、ピンク色のドットは、ユーティリティー、フェアウェイウッド、ドライバーを示します。

適正な長さと総重量

このように、ゴルフクラブの長さと総重量の関係をグラフにした時に、適正な重量フローのクラブセットではクラブが長くなれば長くなるほど、総重量が軽くなっていき、各クラブを示すドットは、ほぼ一直線に並びます。

下のリンクもご参考になさって下さい。クリックするとエクセルファイルをダウンロードできます。ファイルの中に『総重量のグラフ』というタブがありますのでご参照ください。クラブセットの総重量と長さが完全にマッチしているとこのようなグラフになります。この例ではアイアンシャフトは N.S.Pro950GH(S) をモデルにしています。

 

不適正な重量フローのクラブセットとは

対照的に、不適正な重量フローのクラブセットでは、ドットが一直線になりません。例えば、下のグラフは、アイアンとドライバーに対して、フェアウェイウッドが軽すぎる例です。

不適正な重量フロー

以下のリンクでダウンロードされるエクセルファイルもご参考になさってください。『総重量のグラフ』をご参照ください。実際、ゴルフクラブ数値.comで測定したお客様の重量フローは、このようになっているものが多かったです。前項のファイル『良いクラブセットの例』と比べてみると、分かりやすいと思います。なお、この例でもアイアンシャフトは N.S.Pro950GH(S) をモデルにしています。

 

不適正な重量フローのクラブセットの弊害

不適正な重量フローのクラブセットの弊害はスイングテンポに決定的な悪影響をおよぼすことです。上のグラフのケースを用いて例をあげますと、相対的に総重量が軽いフェアウェイウッドで、スイングテンポが速くなってしまい、トップのミスが多発する、というようなことが起こります。

スイングテンポのずれにより、一般的に、重いクラブではダフり易く、かつ右にミスし易くなり、軽いクラブではトップし易く、かつ左にミスし易くなります。特定のクラブだけダフる、特定のクラブだけトップする、特定のクラブだけ右もしくは左にミスし易い、という場合には、クラブセットの重量フローが不適正になっている可能性があります。

適正な重量フローのためのシャフト重量の目安

適正な重量フローを考慮した上で、総重量からヘッドやグリップの平均的な重量を差し引いて
シャフト重量を逆算してみました。適正なシャフト重量の組み合わせは下表のようになります。

適正な重量フローのためのシャフト重量の目安

この表の見方は、例えば120g台のアイアンシャフト(ダイナミック・ゴールドなど)を使用している方が、45インチのドライバーを作りたい時は70g台の重いシャフトを選ぶと「ちょうど良い」ということを意味します。しかし、46インチのドライバーを作りたいなら、70g台のシャフトでは重過ぎで、60g台のシャフトを選ぶとちょうど良い、ということを意味します。

同様に、例えば90g台のアイアンシャフト(N.S.Pro950GHなど)を使用している方が、45インチのドライバーを作りたい時は50g台の重いシャフトを選ぶと「ちょうど良い」ということを意味します。しかし、46インチのドライバーを作りたいなら、50g台のシャフトでは重過ぎで、40g台のシャフトを選ぶとちょうど良い、ということを意味します。


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アイアンシャフトの選び方

軽すぎるアイアンシャフトは要注意

軽すぎるアイアンシャフトは注意が必要です。クラブセットのマッチングを良く考える必要があります。例えば、カーボンで70g台の軽いアイアンシャフトを使用しているとします。その場合、46インチの長いドライバーを持とうなどとは思わないことです。

適正な重量フローのクラブセットにするためには、アイアンのシャフトはフェアウェイウッドのシャフトよりも重い方が望ましく、フェアウェイウッドのシャフトはドライバーのシャフトよりも重い方が望ましいです。

もし、アイアンのシャフトが70g台だとしたら、フェアウェイウッドのシャフトは50g台~60g台が望ましく、46インチのドライバーのシャフトは20g台が望ましいのです。シャフト製造技術がどれだけ進歩しても、20g台のシャフトが世の中に現れることは、おそらく無いと思います。

ゴルフクラブは長くなれば長くなるほど、シャフトを軽くしないといけません。そうしないと振り切れません。クラブを重くすると振り難くなるのと同様に、クラブを長くしても振り難くなるのです。

アイアンのシャフトが70gで、ドライバーのシャフトが50gで、クラブ長が46インチというような組み合わせでプレイしたら、何が起こるでしょうか? アイアンは楽に打てても、ドライバーが重すぎて上手に打てなくなります。ゴルフは14本でプレイするものです。ドライバーが上手に打てなくなるのは困りますね。

70g台の軽いアイアンシャフトをどうしても使いたい方は、40g台のシャフトで44インチの短尺仕様のドライバーを特注で作成するのが良いでしょう。

重いアイアンシャフトのメリット

一般的に、ゴルフクラブは振り切れる範囲で重い方が良いとよく言われます。重い方がスイング軌道が安定するからです。これに加えて、重いアイアンシャフトを使用する副次的なメリットは、ドライバーのシャフトの選択肢が広がることです。

120g台のアイアンシャフト(ダイナミックゴールドなど)を使用しているプレイヤーは、60g台~80g台までのシャフトの中から好きな重量(および長さ)を選ぶことができるのです。従いまして、アイアンシャフトは振り切れる範囲でなるべく重いものを選ぶのが良いでしょう。

第一選択肢としては、スチールシャフトを装着したアイアンセットをご検討されてはいかがでしょうか。スチールシャフトの方がシャフトの重量や硬さの精度が高いですし、何と言っても、価格が安いです。


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重量帯別の分類

さて、前項でアイアンのシャフトが決まったとします。次に考えるべきことは「重量フロー」です。ゴルフクラブ数値.comでは、下記のグラフのように、ゴルフクラブを7つの重量帯に分類しています。

  • 1:超重い
  • 2:かなり重い
  • 3:やや重い
  • 4:平均的
  • 5:やや軽い
  • 6:かなり軽い
  • 7:超軽い

アイアン、ユーティリティー、フェアウェイウッド、ドライバーの全てを同じ重量帯か、せいぜい一つ隣りの重量帯の中で統一すれば、適正な重量フローのクラブセットになります。

ゴルフクラブの重量フロー

グラフは、アイアンシャフトがダイナミック・ゴールドS200の場合とN.S.Pro950GH(S)の場合、それぞれを例に取り、適正な重量フローを描いてみたものです。アイアンシャフトで何を使っているかによって、ドライバー、FW、UTの適正な長さと総重量がどのぐらいなのか、おおよそ見えてきます。






 適正な総重量の選び方

アイアンの総重量をベースにして、アイアンと同じ重量帯のドライバー、フェアウェイウッド、ユーティリティーになるように、シャフト重量を選ぶのが、間違いのない選び方です。






ドライバーシャフトの選び方

アイアンが決まっていれば、ドライバーのシャフトの重量を選ぶのは、実はそんなに難しいことではありません。ドライバーのシャフト選びにおいては、以下の2つの法則があります。

  1. 気に入っているアイアンがお手元にあって、ドライバーを何インチにしたいか決まっていれば、選ぶべきドライバーシャフトの重量は、ほぼ自動的に決まります。
  2. 上記とほぼ同じことを別の言い方も出来ます。気に入っているアイアンがお手元にあって、欲しいドライバーシャフトが既に決まっていて、シャフト重量も分かっていれば、そのドライバーを何インチ仕上げにすればよいか、ほぼ自動的に決まります。

当サイトのウッドシャフトの数値サンプルのページを用いて、ご説明します。同じようなことを何度も書きますが、途中で「話の要旨が分かったぞ!」と思われたら、スキップして次の項に進んで頂くのが宜しいかと思います。

まずは Fujikura / Rombax Type-S 45 の数値ページを開いて下さい。重量データのグラフを見て下さい。そして NS950Sの線を右下にず~っと延長していって下さい。カラフルな線がありますね。NS950Sの延長線とカラフルな線がどこで交差するかチェックして下さい。46インチぐらいの所ですね。以下の3つのことが言えます。

  1. アイアンシャフトがNS950Sで、46インチぐらいのドライバーを作りたければ、「Rombax Type-S 45」のような40g台のシャフトを選ぶと良いです。
  2. アイアンシャフトがNS950Sで、「Rombax Type-S 45」のような40g台のシャフトを選ぶ場合、ドライバーの長さは46インチぐらいの仕上げにすると良いです。
  3. DGS200の延長線とカラフルな線がどこで交差するかチェックして下さい。おそらく、47.5インチぐらいの所ですね。これはつまり、DGS200を使用している方は、40g台のシャフトを使用するのは、あまり現実的ではないと言うことを意味します。

では次に UST Mamiya / Attas 5 の数値ページで同じことをやってみます。以下の3つのことが言えます。

  1. アイアンシャフトがNS950Sで、45インチぐらいのドライバーを作りたければ、「Attas5」のような50g台のシャフトを選ぶと良いです。
  2. アイアンシャフトがNS950Sで、「Attas5」のような50g台のシャフトを選ぶ場合、ドライバーの長さは45インチぐらいの仕上げにすると良いです。
  3. DGS200の延長線とカラフルな線の交差点は、おそらく47インチぐらいの所ですね。DGS200を使用している方は、50g台のシャフトも、あまり現実的ではないです。

今度は 三菱レイヨン / フブキ α 60 の数値ページでやってみます。以下の4つのことが言えます。

  1. アイアンシャフトがNS950Sで、44インチぐらいのドライバーを作りたければ、「フブキ α 60」のような60g台のシャフトを選ぶと良いです。
  2. アイアンシャフトがNS950Sで、「フブキ α 60」のような60g台のシャフトを選ぶ場合、ドライバーの長さは44インチぐらいの仕上げにすると良いです。
  3. アイアンシャフトがDGS200で、46インチぐらいのドライバーを作りたければ、「フブキ α 60」のような60g台のシャフトを選ぶと良いです。
  4. アイアンシャフトがDGS200で、「フブキ α 60」のような60g台のシャフトを選ぶ場合、ドライバーの長さは46インチぐらいの仕上げにすると良いです。

最後に Graphite Design / Tour AD GT-7 の数値ページでやってみます。以下の3つのことが言えます。

  1. アイアンシャフトがDGS200で、45インチぐらいのドライバーを作りたければ、「GT-7」のような70g台のシャフトを選ぶと良いです。
  2. アイアンシャフトがDGS200で、「GT-7」のような70g台のシャフトを選ぶ場合、ドライバーの長さは45インチぐらいの仕上げにすると良いです。
  3. NS950Sの延長線とカラフルな線がどこで交差するかチェックして下さい。43インチぐらいの所ですね。これはつまり、NS950Sを使用している方は、ドライバーで70g台のシャフトを使用するのは、あまり現実的ではないと言うことを意味します。

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フェアウェイウッドのシャフトの選び方

ドライバーのシャフトとフェアウェイウッドのシャフトは別のものを選ぶ

ドライバーをリシャフトしたら凄く調子が良いので、スプーン(3番ウッド)にも同じシャフトを挿してみたところ、スプーンの方はトップばかりであまり調子が良くなかった、という経験がある方はいらっしゃいませんか? 実は、ドライバーと同じシャフトをフェアウェイウッドに挿すのは必ずしもベストな選択ではないんです。

例えば、グラファイトデザイン の ツアーAD GT-5 というシャフトがあります。同じシリーズで GT-6GT-7GT-8 があります。それぞれ数字の部分がシャフト重量を示しており、GT-5 は50g台、GT-6 は60g台、GT-7 は70g台、GT-8 は80g台となっています。

仮にドライバーに GT-5 を挿したら凄く調子が良かったとします。だからと言って、同じ GT-5 をフェアウェイウッドに挿すのは、必ずしもベストな選択ではありません。この場合、スプーンには GT-7 を挿し、クリーク(5番ウッド)には GT-8 を挿す、というような組み合わせがベストなのです。

ユーティリティーのシャフトの選び方

軽すぎるユーティリティーシャフトに要注意

市販のユーティリティーは「やさしさ」を売り文句にするために、非常に軽いシャフトが付いているものが多いです。しかし、ユーティリティーはウッドに比べて短いので、軽すぎるシャフトではトップのミスが続出してしまいます。

ツアープロのクラブセッティングを見ると分かるのですが、プロがユーティリティーをキャディバッグの中に入れている時、例外なく重いシャフトを装着しています。 ユーティリティー専用の重いシャフトを選びましょう。あるいは、短いユーティリティーであれば、アイアンと同じぐらいの重さのシャフトを挿しても良いかもしれません。






重量と長さの関係

同じシャフトを使ってゴルフクラブを組み立てるとしても、クラブ長を何インチで仕上げるかによって、ゴルフクラブの総重量の分類は異なります。同じシャフトでも、長く仕上げるほど、実質的に重く仕上ります。

長さと重量の関係

上のグラフのシャフトを例にとりますと、44インチ仕上の場合には、総重量の分類は「3:やや重い」となり、45インチ仕上の場合には総重量の分類は「2:かなり重い」となり、46インチ仕上の場合には総重量の分類は「1:超重い」、となります。このように、シャフト重量はゴルフクラブの長さとセットで考える必要があります。






シャフト重量選びの第一歩

ゴルフクラブセットは、キャディバッグの中のクラブ同士のマッチングが非常に重要です。まずは最初にアイアンを決めます。アイアンが最も本数が多いからです。気に入ったアイアンセットが既にお手元にあれば、そのアイアンの重量に合わせて、ドライバー、FW、UTなどのシャフト重量を決めていきます。

適正な総重量と長さのクラブを選ぶためには、まずはマッチング・チェック・ツールで、ご自分のクラブの数値で、総重量と長さのセルを埋めてみてはいかがでしょうか?

マッチング・チェック・ツールマッチングを使うと長さと総重量を入力するだけで重量フローグラフが作れます。ドライバーからアイアンまで、適正な重量フローになっているかが一目瞭然で分かります。総重量はキッチンスケールで測れます。また、長さもご自分で測ることが可能です。詳しくはのページをご参照ください。






実際のシャフトの数値

実際のゴルフクラブの数値を数値ページでご参照ください。