ゴルフクラブヘッドの重心高さとは
ゴルフクラブの重心高さとは、下の写真のように、ヘッドの重心からフェース面に垂直に引いた線とフェース面とが交わる点から、リーディングエッジまでの距離です。アイアン、ユーティリティー、フェアウェイウッドなどのように、芝の上のボールを打つクラブの場合には、一般的に、低重心の方がスイートスポットでボールをヒットし易く、やさしいクラブであると言えます。
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フェース上の重心の測定方法
フェース上の重心点は、写真のようにして測定します。
市販ゴルフクラブの重心高さの平均値
市販ゴルフクラブの重心高さの平均値は、以下の通りです。
- 2007年~2009年に市販された主な3番ウッド83モデルの平均値・・・22 mm
- 2007年~2009年に市販された主なユーティリティー56モデルの平均値・・・20 mm
- 2010年~2012年に市販された主な5番アイアン251モデルの平均値・・・18.9 mm
重心高さとヘッド左右慣性モーメントの関係
フェアウェイウッドやユーティリティーやアイアンは芝の上から打つので、低重心であるほどやさしくなります。しかし、低重心と言うのは、実は良いことばかりではなく、悪い一面もあります。
低重心にするためには、ヘッドの下の方にたくさんの重量を配分する必要があるのですが、このように一部分だけに重量をかたよらせると、ヘッド左右慣性モーメントが小さくなってしまうのです。つまり、大きなヘッド左右慣性モーメントによる「大きなスイートエリア」と「低重心」は両立が難しいのです。
下記の2つのグラフは、フェアウェイウッド241本とアイアン408本のそれぞれについて、重心高さとヘッド左右慣性モーメントの関係の統計を取ったものです。低重心であるほど、ヘッド左右慣性モーメントが小さくなっていることが分かります。
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重心高さの選び方
低重心と大きなヘッド左右慣性モーメントは両立することができません。低重心にすれば、ヘッド左右慣性モーメントが小さくなりますし、ヘッド左右慣性モーメントを大きくすると、重心が高くなってしまいます。
芝の上のボールを打つクラブの場合、ヘッドスピードの遅いプレイヤーは、ヘッド左右慣性モーメントよりも、低重心を優先してクラブを選ぶ方が良いと思います。低重心のクラブの方がと、ゴルフがやさしくなります。
一方、ヘッドスピードの速いプレイヤーの場合、インパクトの瞬間に、ボールがクラブフェース上をずり上がる動きが大きいため、必要以上に低重心である必要はありません。むしろ、あまりにも低重心すぎると、重心よりも高い位置でボールを打ってしまい、バックスピンの少ないボールになってしまう可能性があります。低重心はほどほどにして、ヘッド左右慣性モーメントがある程度大きいものを選ぶ方が良いと思います。ゴルフボールの半径が21.3mmであることを考えれば、例えば重心高さ21mmのクラブでも十分に低重心です。
実際のゴルフクラブの数値
実際のゴルフクラブの数値を数値ページでご参照ください。