ゴルフクラブのバランス

ゴルフクラブのバランスとは

ゴルフクラブのバランスとは(スイングウェイトともいいます)、ゴルフクラブのヘッドの利き具合(スイングやワッグルの際にヘッドの重量感をどれだけ感じやすいか)を示す数値です。バランスが重いゴルフクラブほど、ヘッドの重量感を感じ易く、バランスが軽いゴルフクラブほど、ヘッドの重量感を感じ難いです。


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ゴルフクラブのバランスの測定方法

ゴルフクラブのバランスの測定は、グリップエンドから14インチの場所を支点にして、ヘッド側がどれだけ重いかを測定します。これを「14インチバランス測定法」といいます。

ヘッド側が軽い方からA.B.C.D.Eの5段階に分かれ、さらに、それぞれの軽い方から0~9の10段階に分かれ、・・・C8、C9、D0、D1、D2、・・・のように表現されます。

バランスは本当は数値なのですが、この数値にアルファベット1文字と数字1文字からなる独自の目盛を振ったようなものです。

バランス測定器

ショップでは上にある写真のような機械で測定しますが、実はバランスは、ご自宅で、ご自分で、特に専用の機械も要らず、簡単に測定できます。次項をご参照ください。


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バランスを自分で測定する方法

バランスは、ゴルフクラブの「総重量」と「バランスポイント」の2つが分かれば、計算で求めることができます。

「総重量」はキッチンスケールがあれば測ることができますね。

「バランスポイント」の測り方は輪ゴムとメジャーを使います。まず、輪ゴムをシャフトに通します。そして、クラブが水平にバランスが取れる場所を見つけ出します。そして、メジャーを使って、グリップエンドから輪ゴムまでの長さを測るんです。

下に添付してあるエクセルファイルは、ゴルフクラブ数値.comが開発した『マッチング・チェック・ツール』と言います。「総重量」と「バランスポイント」の2つを入力すれば、自動的にバランスを計算してくれるとツールです。下のリンク『マッチング・チェック・ツール(データが入っていないもの)』をダウンロードして、ご利用ください。

 






 バランスは「振り易さ」の目安ではありません!

ゴルフクラブのバランスは、あくまでも「ヘッドの利き具合」の目安であり、ゴルフクラブの「振り易さ」の目安ではありません。例えば、バランスD1の重いスチールシャフトのアイアンがあり、同じくバランスD1の軽いカーボンシャフトのアイアンがあったとします。

これらのアイアンのバランスが、共に D1 であったとしても、重いスチールシャフトのアイアンの方が振り難く、軽いカーボンシャフトのアイアンの方が振り易いです。つまり、バランスを用いて、総重量長さの異なる別々のゴルフクラブの振り易さを比較することはできません。






じゃあ、バランスには何の意味があるの?

同じシャフトを装着したアイアンセットにおいて、バランスを同じ値にする、または一定間隔でフローさせるなどの方法により、アイアンセットのヘッドの利き具合の一貫性を保つ上では意味があります。

その際、1ポイント程度の小さな誤差があったとしても、あまり気にする必要はありません。実際、以前にゴルフ雑誌の実験でやっていましたが、プロでさえも過半数のプロは1ポイントの違いを言い当てることができなかったぐらいです。アマチュアなら、95%は言い当てられないでしょう。

1ポイントのバランスの誤差を気にするよりも、ゴルフクラブの長さと総重量の関係を適正にすることを優先するのが良いと思います。そうすれば、バランスも自然と似たようなバランスに収まってきます。(ゴルフクラブの総重量長さの関係については、ゴルフクラブの総重量のページをご参照下さい。)






とは言え、常識的なバランスの範囲は存在します

ゴルフクラブはヘッドとシャフトとグリップから成り立っていますが、これらを常識的な長さで組み立てれば、結果としてゴルフクラブのバランスはC8~D4ぐらいの範囲に収まります。(パターとウェッジを除きます。また、レディースクラブの場合はB8~C4ぐらいの範囲となります)。別の言い方をしますと、このぐらいの範囲に収まるように、ヘッドとシャフトとグリップは設計されていると言うことができます。

ちなみに、2007~2009年に市販された主な男性用ゴルフクラブ411モデルのバランスの平均値はD1です。一般的に男性用のゴルフクラブのバランスはD0~D2ぐらいのものが多いです。女性用のゴルフクラブのバランスは、B8~C4ぐらいのものが多いですが、ちょっと軽すぎるように思います。






バランスの選び方

バランスに関しては、万人に当てはまる法則はないと思います。ヘッドの重量感を感じた方が心地よいプレイヤーは重めのバランスを、ヘッドの重量感をあまり感じない方が心地よいプレイヤーは軽めのバランスを選ぶのが良いと思います。要するに好みの問題ですね。

ご自分の好みが良くわからなければ、常識的なバランスのものをチョイスしておけば良いでしょう。あえて言うなら、重めのバランスは、スイングテンポがゆったりしたプレイヤーに適し、軽めのバランスは、スイングテンポの早いプレイヤーに適しているように思います。また、早すぎるスイングテンポを矯正する目的で、ヘッドに鉛を張るなどして、あえてバランスを重くするというのもありだと思います。

バランスの調整

バランスの調整については、いくつかの法則がありますので、ご紹介しておきます。

ヘッドに鉛を貼るとバランスは増加します。1gの鉛でバランスは0.5~0.6ポイント増加します。同じ重さの鉛でも、クラブが長いほど、バランスの増加量が多くなります。

グリップを軽くするとバランスは増加します。グリップを重くするとバランスは減少します。グリップを1g軽くするとバランスは約0.2ポイント増加し、1g重くするとバランスは約0.2ポイント減少します。

クラブを長くするとバランスは増加します。クラブを短くするとバランスは減少します。1インチ長く(短く)するとバランスは4.9~6.6ポイント増加(減少)します。クラブを同じ長さだけ長く(短く)しても、クラブ長が短いほどバランスはたくさん増加(減少)します。






バランスについてのまとめ

バランスのことは、あまり気にする必要はありません。アイアンのバランスとウッド類のバランスをあえて揃えたりする必要もありません。前述の通り、バランスを用いて、総重量長さの異なる別々のゴルフクラブの振り易さを比較することはできません。

アイアンがD2でドライバーがD0であっても、全く気にすることはありません。常識的なバランスに収まっていれば、それで十分です。






実際のゴルフクラブの数値

実際のゴルフクラブの数値を数値ページでご参照ください。